守りたい ただあなただけを
――――――
「どなたかいらっしゃいますか?」
旅館の中に入ると、ガラスのケースに“温泉饅頭”と書かれた物が並べられていた。
小ぶりで、白くて・・丸い・・。
確かに簡単に食べられそうだ。
「・・・・いらっしゃい。」
しばらく呼ぶと、
お婆さんが奥から顔を出した。
「さっきそこで、
これがお薦めって聞いて来ました。」
「・・お兄ちゃん、旅の人かい?」
「ええ・・まぁ。」
「久し振りだよ旅の人が来てくれるのは・・。」
お婆さんはケースから1つ取りだしてくれた。
「試食サービス。」
「ありがとうございます。」