守りたい ただあなただけを
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陽が出て明るいうちに、
歩いて歩いて歩きまくった。
急すぎる傾斜に何度も足を取られ、
何度も膝をすりむいても、
イズミが絶対に足を止めないように、
俺も歩みを止めなかった。
やがて3度の夜を越えていくと、体感したことの無い寒さが全身を包むようになった。
「こんなに寒いってことは・・・。」
「恐らくもうすぐアルト側の雪原地帯に入るはずだ。」
絹糸で作られた帽子をかぶるエイダが袋を差し出す。
「そなたも、そろそろこっちに着替えた方がいい。」
「そうさせてもらうよ。」