守りたい ただあなただけを
「・・・・大丈夫・・なんでもない。」
駆け寄って見ると、
着ていた服の右腕が赤く染みていた。
「ちょっと見せて。」
服をまくって見てみると・・・
「この寒さで斬られた傷口がまた開いたか・・。」
声を掛ける前にイズミが包帯代わりの布を渡してくれる。
「こういう事は早く言え。」
「・・・・すまない。」
「冷たい・・。
エイダ、私のマフラーを巻いて。」
体温を感じ取ったイズミが、その首に巻いていた絹糸をエイダの首に回す。
「・・・・・・・・。」
「エイダ・・?」
「エイダしっかり!」
危険を顧みず先頭を歩き続ければ負担もそれほど大きい。
エイダの体力は俺達の想像以上に奪われていた様子だった。