守りたい ただあなただけを
「イズミ、行こう。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「何やってる?」
突然イズミが片膝をついて、
両手をぎゅっと握った状態で目を閉じる。
「私は・・山には神がいると信じています。
きっと私達をこのまま見捨てたりはしません。」
「・・・・・・。」
目を開けて立ち上がったイズミが俺の前を行く。
「良いこと教えてやるよ。」
「・・?」
「俺も、お前に負けないぐらいのロマンチだ。」
陽が沈むまであと数時間・・・。
寒さが身を切る中、
イズミが切り開く後ろを続く。