守りたい ただあなただけを
――――――
「アルトだ・・アルトが見えた!」
「雪に包まれた街っていうのも綺麗だな。」
「やっと・・ここまで来れました・・。」
薄い霧が晴れた場所まで辿り着くと、眼下に街が見えた。
「・・・・。」
キッカワが先へ続く道を指さす。
<あとはこの道を一直線に下れば街の南に出る。>
イズミが小走りにキッカワの元へ向かうと、その手を両手で包んだ。
「キッカワさん。本当に助かりました。
この国に平和が訪れたら、また改めてあの小屋を訪ねさせてください。」
「キッカワ君ありがとう。」
ぎこちない手で握手を終えたキッカワは、
足早に元来た道を戻ろうとする。