守りたい ただあなただけを


―――――― 


「えー今日からこのクラスに転入生が1人入ります。入ってきて。」


“ガラガラ”


「か・・・可愛い・・・。」
「嘘だろ・・・。」
「・・・ヒュー・・・・。」




「じゃあ自己紹介して。」


「はい。
皆さん初めまして、リリカです。

お父さんの仕事の都合で、ハグワールからアルトの街へ引っ越してきました。

今日からよろしくお願いします。」


「笑顔が眩しいぜ・・。」
「・・俺鼻血出たわ。」
「・・ヒュー・・・・。」



「じゃあリリカの席は・・
お、キッカワの隣が空いてるな。
じゃあ、あそこへ。」


「!?」
「!?」
「!?」




「キッカワ君・・?よろしくね。」


「・・よ・・よろ・・よろしく・・おねが・・おねがいっ・・します。」


「・・?大丈夫?」



「リリカちゃん!
そんな病気野郎より俺の隣来いよ。」

「ちょ・・ケンちゃんズルいって。
リリカちゃん俺!俺!」

「ヒュー!リリカちゃんそいつ“キツオン”って病気持ってるからあんまり近寄らない方がいいよ。」



「コラお前ら!キッカワをイジメるなって言ってるだろ!

さぁ校庭に出て体術の授業始めるぞ。」


「「「へーい。」」」







「・・・・・・・・。」


「びっくりした・・・。

あの人達、“吃音”についてなんにも知らないんだ・・。」


「・・え・・・。」


「キッカワ君、私は全然気にならないよ。
一緒に校庭行こ。」








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