守りたい ただあなただけを
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「あの人達の悔しそうな顔、面白かったね!」
「・・・・・。」
「キッカワ君も十分強いじゃない?
もっと自信持って大丈夫だよ!」
「・・・あ・・あり・・ありっ・・ありがとう・・・。」
「・・・?何やってるの・・?」
「・・・・・。」
<リリカさんはどうしてそんなにも強いんですか?>
「小さい頃からお父さんが稽古つけてくれたんだ。
お母さんは、“男の子じゃないんだから”って嫌がってたけど・・。」
<そ>
「あ、ダメだよ!」
「・・?」
「ちゃんと自分の口で喋って。
初めて話した時も言ったけど、
私は全然気にならないから。
ちゃんとキッカワ君と会話したい。」
「ど・・・どう・・ど・・どうして・・・・・。」
「ゆっくりで大丈夫・・。
ゆっくりでいいから・・・。」
「・・どうして・・・リリカさん・・は・・
僕に・・そんなに・・優しく・・して・・くれるの?」
「私のお父さんね、
国王様に仕えるお仕事をしてるんだ。
いつもお父さんは私に言うの。
“ヨバル国王はどんな人にも、どんな動物にも分け隔て無く偉大な愛を注いでいる。
だから俺自身もそうありたいし、
リリカにもそうなって欲しい”って。」
「・・・・・・。」
「吃音だからなに?私はそれもキッカワ君の個性だと思ってるよ。
そういう所も含めて、
私はキッカワ君の事が好き。」
「!??!・・!?!?・・・?・?」
「え・・?大丈夫キッカワ君!?
鼻血・・ちょっと待ってティッシュ持ってくるから!」