守りたい ただあなただけを
――――――
“テナーに行っても元気でね”
「ありがとう。ホントはここで卒業したかったんだけどなぁ・・。」
“お父さんの仕事の都合じゃ仕方ないよ”
「キッカワも元気でね。」
“僕、先に待ってる。”
「え?」
“リリカは好き。
でもやっぱりまだ人と話すのは怖い・・。
だから卒業したら先にあの山で暮らす。
獣医になったリリカをあそこで待ってる”
「・・うん分かった!
一生懸命勉強して、
成人の儀を迎える頃には絶対に行く!」
“・・・・・・・・”
「ちょっと・・・もらい泣きしちゃうからやめてよ・・・。」
“・・・・・・・・”
「・・・・ありがとう・・。」