守りたい ただあなただけを
――――――
「ラバル様入りますよ。」
答えを聞く前に王室の扉を開けた。
「・・・カズマか。
どうしたこんな時間に?」
・・・・・・・ヴィックスの話通り、
まるで絵に描いたようにラバル様は王室中をウロウロしていた。
全身から、
“あー!どうしたものか!!”
と言葉を発しているようだった。
「どうしたもこうしたもありません。
ラバル様がそのような様子なので、
ヴィックスが心配していますぞ。」
「・・・カズマ・・・。」
ピタッとその場に止まり、ラバル様は困った子犬のような視線を私に送った。