守りたい ただあなただけを
明日の総攻撃を控え、
お屋敷の中、客間の一室で軍議が催される。
ローゼ華撃団のファーストが、机上に王宮の見取り図を広げ俺達に説明してくれる。
「一気に攻め込まず、
時間差で次々と仕掛けて敵を分散させる。
まずはバス有志隊が南門から仕掛け、
開戦してしばらく、
反対の北門からテナー有志隊が攻め込む。」
一点突破と思わせて挟み撃ちにするつもりか・・。
背後からも攻め込まれたと知った敵はさぞ驚くんだろうな。
「更に時間を置いて、
東門からアルト有志隊が突入する。」
「って事は俺達は西門からか?」
ファーストに質問すると首を縦に振る。
「但し、私達が攻め込むのはかなり時間が経過してから。
敵も当然この流れから、
がら空きになった西門を警戒するはず。
だからしばらく時間を置く。
いつまで経っても攻めてこないと奴らをいきり立たせ、
“こんな所にいては時間の無駄、
他の門を加勢する”
と手薄になったところで行こう。」