守りたい ただあなただけを
着弾地点から離れたが、
爆風が一気に押し寄せる。
なんとか建物の陰に隠れたところで、立て続けに鉄砲が発射される音がこだました。
「もうちょっと距離を取った状態で撃つものだって学習院で習ったのにあいつら・・。」
「王宮がどうなってもいいということだろう。」
<死ぬかと思った・・!>
すぐさまローゼ華撃団のみんなも鉄砲を撃ち返す。
一気に王宮の中まで踏み込めると予想していたが、遠距離戦となってしまった。
「この国にもあんな物があったんだな。」
「国外からの侵略者が絶対に無いとは言い切れない。
ソプラノの長がローゼ華撃団を作ったように、
代々の王家も・・もしもの事を想定していたのかもしれない。」
<あの音だよ。
風の音に混じって聞こえてきたのは。>
刀、鉄砲、弓、石櫃。
あらゆる武具が手元に戻って戦力差は無いはずだったが、
“大砲”を奴らが隠し持っていたのは想定外だった。
各門を攻め込んでいる有志隊も、あれに虚を突かれ苦戦を続ける光景が目に浮かぶ。