守りたい ただあなただけを
イズミさん、エイダさん、リリカと共に小屋の外へ出る。
エレベストの山から見る今日の空は、
珍しく雲一つ無い快晴だった。
4人並んで空を見上げ、手を合わせる。
・・僕は全部覚えていないのでそのまま黙っているけど、
学習院で習ったこの国に古来から伝わる詩、
“鎮魂歌”と呼ばれる、
死者への手向けの詩を3人が読み上げる。
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・・・・・・・
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最後の一節が読み上げられると、
ゆっくり目を開けた。
「・・・・・・・・・・・・・。」
イズミさんを見ると、
今年もまた・・その頬を滴が伝っている。
「イズミ様、お身体が冷えますので中へ。」
「・・・・・・・はい・・・・。」
エイダさんがその手を引いて、
先に家の中へと入っていった。