守りたい ただあなただけを
「では次に、首都ハグワールの収支ですが・・・・。」
・・・・・致し方ないか・・。
ヴィックスが報告する内容は、
決して良いと言えるものでは無かった。
上半期は各都市も、
ここ首都ハグワールも残念ながら赤字。
先代 ヨバル様の頃から見え隠れしていた“不況”が、この上半期でも如実に現れてしまった。
「今年は例年以上に台風が多く、
作物の収穫に大打撃がありました。
その影響もあります。」
「分かった。報告ありがとう。」
ラバル様が皆を見渡す。
「みんな、ここが頑張り時だ。
不況は必ず脱せる。
その間、
民に苦しい思いは決してさせないぞ。
ヴィックス、我ら王室の予算を削って赤字を補填しよう。
すぐに下半期の試算を開始してくれ。」
「ハッ!仰せのままに。」
ラバル様の提案に、
ヴィックスたち家来が快くうなづく。