幸せな日々に終わりを告げよう


あなたはただいるだけで周りが温かくなるそんな太陽みたいな人で、底辺に佇む私が手も伸ばしてはいけない存在で。

足掻いてもきっと届かないなのに、そんなあなたに私は恋をしてしまった。

止まらなくちゃ、止めなくては、そう思うのに、想いはとどまることを知らなくて。

整った顔でにこやかに笑う彼女と一緒に歩くあなたを見ると、どす黒いものが心の中でのたうち回る。

このままじゃ私なんかのせいで、あなたの笑顔を曇らせてしまう。

今にも暴走してしまいそうな気持ちを片付けるためにどうしらいいか。

思い悩んだ末に、私の命を終わらす代わりに、あなたとの特別な思い出をもらうと決めた。

戸籍も何もかも売り捨てて、あなたの大好きな彼女そっくりに整形をした。

死ぬと決めているからなのか、荒んでいた気持ちは晴れて、あなたとの思い出を作るための準備もはかどったが、ただひとつ懸念があった。

顔は似せれても声は似せれない。

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