幸せな日々に終わりを告げよう
目を覚ますと隣で眠っているはずの彼女がいなくて、彼女の名を呼んだがただただ部屋にこだまするだけ。
ベッドの縁に座るとテーブルの上の置き手紙に気づいた俺はそっと手に取って優しい字を追った。
"彼女"は一体誰だったんだろうか…そんなのどうでもいいか…。
"彼女"がいないだけでこんなにも寒くて空しいんだな…。
声をかけられたとき、彼女じゃないってすぐに気づいた。
顔は瓜二つだったが声なんて比べものにならない程に違くて、醸し出す雰囲気が違っていたからだ。
でも俺は目の前の誰なのか分からない"彼女"の誘いに気まぐれでのった。
危ないなと思ったら逃げ出せばいいし、女の力に男の俺が負ける訳ないと思っていた。
それなのに"彼女"はスマホの電源を切ってほしいということ以外、何も制限をしてこなかった。そればかりか何も仕掛けてこない。