蒼い月と紅の灯火
魚は下処理をして塩焼きにする。あとは野菜のおひたし、味噌汁をすぐさま作り上げていく。唐揚げも後から作って。
「手慣れてるなー」
蒼兎はそんな様子をぽーっとした顔で見ていた。
あっという間にご飯が出来上がった。
「出来ました! 食べて食べて!」
「美味しそうだね、いただきます」
微笑みながら箸を手にして食べ始める。
「美味しい……」
「本当? よかったー」
「本当。意外だけどね」
「食べさせないぞー!?」
優しいのにさらっと毒づく蒼兎。でも美味しそうに食べてくれている。
私も自分の作った料理に手をつける。
久しぶりに作ったから不安だったけど、中々悪くない。
二人で黙々と食べていく。
「「ごちそうさまでした」」
あっという間に食べ終えてしまった。
「じゃ、片付けは僕がやるよ」
「あ、ありがとう」
「僕の家だからいいの」