蒼い月と紅の灯火

魚は下処理をして塩焼きにする。あとは野菜のおひたし、味噌汁をすぐさま作り上げていく。唐揚げも後から作って。




「手慣れてるなー」




蒼兎はそんな様子をぽーっとした顔で見ていた。




あっという間にご飯が出来上がった。




「出来ました! 食べて食べて!」




「美味しそうだね、いただきます」




微笑みながら箸を手にして食べ始める。




「美味しい……」




「本当? よかったー」




「本当。意外だけどね」




「食べさせないぞー!?」




優しいのにさらっと毒づく蒼兎。でも美味しそうに食べてくれている。




私も自分の作った料理に手をつける。




久しぶりに作ったから不安だったけど、中々悪くない。




二人で黙々と食べていく。




「「ごちそうさまでした」」




あっという間に食べ終えてしまった。




「じゃ、片付けは僕がやるよ」




「あ、ありがとう」




「僕の家だからいいの」

< 10 / 156 >

この作品をシェア

pagetop