蒼い月と紅の灯火
「蒼兎、ふらついてるよ?」
「大丈夫だよ、僕はこんな感じだから」
と言われても、蒼兎は見るからに貧弱そうだから信用が出来ない。それにくらべて、朔夜さんはいかにも運動タイプです。という感じがした。
「あ、そうだ朱里」
「何?」
「明日も兄さん来るらしいから、適当にもてなしてあげて」
「文句いってても優しいね」
「朱里、おやつ要らないんだね」
「いる! それは卑怯だよ!」
蒼兎に駆け寄ると、こんどは苺をくれた。
これは、おやつというよりデザートでは……。
「季節感どうなってるの」
「特殊、気にしない」
その場でひとつ食べてみると、やはりこれも甘くて美味しい。皿を持って机の方に戻る。
「あ、そう。お風呂は好きに使ってね」
「わかった!」
「寝るときはさっきの布団で寝てね」
「はーい」