蒼い月と紅の灯火

部屋の向こうまで朔夜が吹き飛ばされた。




「げほっ……朱里?」




「いった……ははっ、ほら、術なら勝てるくせに」




「遅くても、今更かもしれないけれど、変えていく」




「別に傷付けたいわけじゃなかったんだよな」




「朔夜……」




そういう朔夜は、酷く傷付いた顔をしていた。




「ごめんな、こんなことして」




「兄貴……」




「はいはい、殴らせろってか?」
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