蒼い月と紅の灯火
【朱里side】
今日の蒼兎はやっぱり元気がない。朔夜さんに買って貰った醤油煎餅を食べながら蒼兎をじっと見る。
それに、朝の会話は……。
蒼兎、その日がきたら、教えてほしい。
あなたが抱えている何かを。
私は知りたい。
きっと、私を拾った理由でもあるはずだから。
だって、そうでなければあんな辺鄙な所にいるわけがない。私は普通ならそこで死んでいたから。
助けてくれた蒼兎にはとても感謝している。
「ありがとう朔夜さん! 美味しかった!」
「おう! それにしてもよく食べるな」
「私これでも大食いなの!」
「ん、そうか」
その言葉になぜか朔夜さんも、少しだけ困ったような顔をした。
「私、なにか二人を困らせてる?」
「え?」
「朝から蒼兎も元気ないし、自分のことを話すと何故か朔夜さんも暗い顔をしているから」
「そうか、ごめんね? 蒼兎は多分昔を思い出して落ち込んでるだけだから」
「そうなんですか、ならなにか蒼兎にプレゼントしたいです!」
「それはいい考えだ!」