蒼い月と紅の灯火

「二人とも騒いでどうしたの」




「お、蒼兎、これ買ってこいよ」




「なんで兄さんにパシられないといけないの」




「まぁまぁ! かんざし、好きなの選べ」




「それなら……まぁ」




ぶつぶつ言いながらも蒼兎はかんざし屋に向かっていった。




「よし、これで蒼兎にばれないぞ!」




「ナイスです、朔夜さん」




「ところで、何あげるんだ?」




「実は……」




朔夜さんに店を教えてもらって買いにいく。
戻ったら丁度二人も買い物を終えていた。




「よっしゃ行くぞ仕立て屋!」




「朱里何か買ったの? また食べ物?」




「違いますー! そんな食べてばっかじゃないです!」




「あれ? そうだっけ」




クスクスと笑う蒼兎。やっと笑顔が戻ってきた。




朔夜さんについていくと、仕立て屋についた。
お店はとても綺麗だった。




「わぁ!」




「すまん、この子にこの生地で仕立ててくれないか」




「かしこまりました。ではこちらへどうぞ」




「え、あぁ、はい」




お店のお姉さんに連れられて奥に入っていく。




「サイズはかりますね」




「は、はい!」




されるがままになる私。
あっちだこっちだとくるくるする。

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