蒼い月と紅の灯火
お姉さんはかんざしをまとめた髪に挿してくれた。
「うん、いい感じ。着物出来たらしいからさっきの部屋に戻ってね」
「はやくないですか!? わ、わかりました!」
1時間程度しかたっていないのにもう出来上がったらしい。お姉さんがいくらまったりと時間を稼いでいたとは言え、早すぎる。
さっきの部屋に戻ると、確かに出来上がっていた。
「すごい!」
「では、どうぞ、着付けるのでこちらへ」
促された場所に立つ。
作られた着物はとても軽くて動きやすそうだった。
ぼーっとしていると、あっという間に着付けは終わっていた。
紺に水色がはいった着物。やはりこれも雪の柄だった。
「出来ましたので、下にいきましょう」
「ありがとうございます! こんなの着たの初めてです!」
「喜んで頂けたようでなによりです」
るんるんとしながら二人の所に戻る。
「二人とも、お待たせ」
声に反応してこちらを見ると、二人ともポカンと口を開けていた。
「似合うじゃん朱里ちゃん!」
「うん、綺麗だね」