蒼い月と紅の灯火
「ありがとう!」
蒼兎は何故かそわそわしている。
それを見た朔夜さんはニヤニヤ。
「朱里ちゃん今日はそのままね!」
「はい!」
言われなくてもそうしたかった。二人がせっかく選んでくれたもの。
私の大事な物のひとつになった。
それからまた三人で町を見て回った。
夜になるまでずっと。
夜になってもまた別の賑わいで町は一杯になっていた。
「夜の町も綺麗ですね」
「そうだね、家に帰って星でもみようか」
「よし、なら団子買って帰るぞ!」
星なんて、里でも気にして見たことなんてあんまりなかった。両親が出掛けて一人で寂しい時みていたくらいだから。
蒼兎の家に来たときも忙しくて夜もそんな暇はなかったし、何より星なんて気にならなかった。
三人で手を繋いで帰った。
私を間に挟んで。
私は一人っ子で姉も兄も、妹や弟すらいなかった。
だから、新鮮でとても嬉しかった。
鼻唄を歌いながらスキップをする。
「朱里ちゃん嬉しそうだな」
「そんなに楽しかったかい?」
「うん! それもなんだけどね!」
「「うん……?」」