蒼い月と紅の灯火
昔、私と遊んでくれる兄弟がいた。
兄の方はよくお父さんと遊んでいた。
そして、弟の方はお母さんと遊んでいた。
二人とも私ともよく遊んでくれて、仲の良い兄弟だった。
兄は活発でやんちゃで、弟は静かで優しかった。
どちらの顔もよく覚えてはいないけれど。
二人ともそっくりだった。
顔立ちとしては兄の方がきりっとしたかっこよさだった。そして弟は優しいかっこよさだった。
他に何か覚えてるとしたら……。
「二人の銀髪って小さい頃のお友達そっくり!」
「え……?」
「お、朱里ちゃん友達いたのか」
「朔夜さんそれは失礼です!」
「ごめんごめん!」
「私、その頃の友達の顔覚えてないんだよね」
「お友達、可哀想だね」
「う、それはごもっともです」
でも、蒼兎の表情が少しだけ曇っていた。
何かまた悪いことを言ってしまっただろうか。
そんなこんなでやっと家に帰ってくる事が出来た。
「月見だー!」
とかいって朔夜さんは駆け回る、いや、暴れまわる様に準備をしていた。
「だから、兄さんは僕の家を……」