蒼い月と紅の灯火
元気になったのなら
結局三人で寝ることになった。
しかも、一枚の布団に。
いくら大きめといっても狭すぎる!
「何故」
「朱里がそういったから」
「朱里ちゃんいい匂い~」
「そうではなくて、何故私と一緒に寝たいの。あと朔夜さん閉め出しますよ」
「ごめん! でもそれは勘弁」
それでも朔夜さんはくっついてこようとする。
それを許さないように蒼兎も抱きついてくる。
「……」
流石に私でもドキドキしてくる。
というよりは……。
「く、くるしい!」
「じゃあ兄さんが離して」
「えー? 嫌だね、蒼兎がどきな!」
「もう、なんでもいいんでうるさくしないで。寝れません」
「「ごめん」」
やや苦しいけど、もう寂しさはなくなっていた。
二人の匂いが何故か急にわかるようになった。
それはとても安心出来る匂いだった。
そして、何処か覚えがあるような。
そんな、優しくて甘い香りだった。
そのお陰か私は昨日よりも早く眠りについた。