蒼い月と紅の灯火
【朱里side】
蒼兎がお風呂にいってる間に泣いた。
もう、泣きたくなかったのに、涙が溢れた。
蒼兎、夕飯の時の言葉は本当なの?
私だから、なの?
本当のことがしりたいよ。
考えれば考えるほど涙が出てきて。
いつしか、眠っていた。
「……朝」
目を覚ませば、もう別れの日だった。
重たい体を起こして居間にいく。
もう、蒼兎は起きていた。
「おはよう朱里。眠れたかい?」
「……」
寝れても、休めるわけがない。
「そうだよね……、もうすぐ兄さんがくる」
「朔夜さんが?」
「うん。朱里は行くとこないだろうからね、だから兄貴のところに住ませて貰って」
行くとこないだろうから?
なら、どうしてわざわざ追い出すの……?
「朔夜さんの家に行くなら蒼兎の家だって!」
「駄目だ」
お願いだから、という目で見てくる。
私は、そんなに迷惑だろうか。
「どう、して」
「僕のもとに居ちゃいけないからだよ」
「どうしてそう思うの」