蒼い月と紅の灯火
どうして、本当かもわからないことを言うの。
「君を不幸にさせたくない」
「不幸だなんて!」
足りない。
いまの私じゃ足りない。
蒼兎を救うことなんて出来ない。
あなたは何に囚われているの?
どうして、どうして。
「どうして、私の目を見ないの?」
「……っ!」
「ねぇ、蒼兎……」
バァン!
「やっほー朱里ちゃん。迎えに来たよ!」
「朔夜さん……!」
「だーめ。ほら、行くよ」
「でも!」
「今の君に何か出来るか?」
「それは……!」
「んじゃな蒼兎! 俺はまたくるよ!」
「うん、ありがとう兄さん」