蒼い月と紅の灯火
【朱里side】
「ん、朝?」
目を開けると眩しく朝日が入り込んでくる。
そして、何か良い匂いが漂ってくる。
「ご飯!?」
バタバタと慌てて今に駆け込む。
慌てすぎて転んでしまった。
「い、いたた」
「ん、朱里ちゃんおはよー? 可愛いことしてるね」
「あれ、朔夜さん料理できたんですか」
「失礼じゃないかい?」
机には豪華な料理が並べられていく。
もしかしたら私より上手なのでは?
「なんで私に作らせたんですか」
「朱里ちゃんの手料理食べたかったから! ってか俺には冷たくないかなぁ?」
「そりゃ! あんなこと……」
「あんなこと、って、なぁに?」
じりじりと詰め寄ってくる朔夜さん。
髪に手がかけられる。
「何があんなこと、なの?」
にやにやしながら髪をどけられる。
その瞬間、朔夜さんの表情が凍りついた。
「ふぅん。まぁいいけどね」
「朔夜さん?」