蒼い月と紅の灯火
(集落の、人間……?)
ドクン。
波打つようにあの記憶が甦る。
ヒソヒソとこちらを確認するようにしながら話している。
「そうそう、あの子みたいな変な子を見つけてから何年か準備したあの時みたいにするらしいわよ」
「また? あの時は銀髪の変なガキだったよな」
(どういう、こと?)
誰かのせいで、私の里は襲われた?
銀髪の、子供。
それをみたから里を探された。
ドクン。ドクン。
冷や汗が流れてくる。
「あの子も変よね。白い髪に赤い目。まるで人間じゃないわ」
やめて、お願いだから、それ以上は。
「まるで……」
化け物みたい。