蒼い月と紅の灯火
「ごめんごめん、可愛いかったから」
「なっ!?」
そんなの、理由にならない。何故かお兄さんが来てから蒼兎がもっと優しくなった気がする。
「夕飯つくるの、手伝ってくれる?」
「もちろん!」
助けてもらったのだ、少しくらい手伝いをしないと申し訳ない。
朔夜さんが持ってきた箱はとても多かった。
中身は一杯あるし、それが4箱も。一体どれだけ力持ちなんだろうか。
「あ、魚だ」
「食べたいの好きに使っていいよ」
「いいの!? なら任せて!」
蒼兎を押し退けて台所に立つ。後ろで苦笑いの蒼兎。
「もう元気そうだけどね、まぁ、好きに使って」
「蒼兎の分もつくるから!」
「そう? それじゃあ期待して待ってるよ」