交際宣言~不良のキミと2年間~
「何ボーっとしてんの?」


凛があたしに声をかけてきた。

まだ朝早いから悪斗くんは来てない。



「昨日、なんかあった?」


里美にそうやって言われて、
昨日のことを思い出した。

病気だったって。

しかも、あんなに優しいなんて。
ヤンキーとか不良じゃなかったなんて。



「いや・・・昨日は普通だったよ?」


ちょっとひとりになりたくて、
勢いよく教室を飛び出した。

そしたら、教室を出た瞬間に
誰かにぶつかっちゃって。




「ちょ・・・麗華・・・」


凛と里美の慌てた感じで誰だかわかる。
きっと悪斗くんだ。



「麗華、何してんだよ」




悪斗くんに支えられてるあたし。



「ありがとっ」



お礼を言って、その場から逃げようとした。







「何かあった?」

悪斗くんがあたしの顔を覗き込んできた。






「いや・・・なんにも」





しばらくの沈黙が流れた。


「そっか」




悪斗くんは、
ひとりになりたいっていう
あたしの気持ちに気づいたのか
今までつかんでいた手を離してくれた。
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