God bless you!~第11話「ヒデキとハルミ」
★★★右川ですが……月曜の朝イチ。中川進学教室。サボった。
〝中川進学教室〟
沢村が行ってる塾である。
だけど沢村から聞く前から、どこかで見覚えがあって。
その理由を、思い出した。
月曜日の朝イチ。
あたしはその塾を訪れた。この時間、現役の学生は居ない。ズバリそこを狙った。これで知り合いと出くわす事は無いな。
今朝は、朝から大雨。
あたしが傘を差すと、まるで子供が大人用を使ってるみたい、とよく言われる。松倉に至っては、「初めてのお使いぃ~」と頭を撫でるし、ヨリコは、「こらこら、黄色い合羽を着なさい」と真顔で突き刺す。
この塾の受付のお姉さんも、同じだった。
「あらあら」と、ガキをあやすみたいに笑ってくれた。
悔しいから、ばさばさと飛沫をそこら中に散らして、傘を畳みます。
「えーと、来年4月からの案内とかってありますぅ?」とオドけたら、「え?来年?」と、上から下までジロジロと見られた。さっそく怪しまれてる。
「えーっと、中学受験かな?」と、バッサリ返り討ち。
そこに、スーツ男子が現れた。
どうやら、ここの先生らしい。
「僕に時間があるから、こっちで」と言われて、あたしは受付から小部屋に通された。麦茶が出てくる。恭しく名刺までもらう。
〝古屋英樹〟
このヒデキは、アキちゃんと同じくらいの年格好に見えるけど、アキちゃんと違って、あんまり世間に揉まれていない印象がした。
自分の事を〝僕〟とか言ってる時点で、お坊ちゃまである。
まあ、アキちゃんは激動の人生過ぎるから、こういうのんびりな感じが普通なんだろうとは思うけど。
たまに〝俺〟とか、うっかり出ちゃうアキちゃんが、自分の事を〝僕〟というのはここ2~3年だった。まるで、それまでの自分をひた隠すように。
どういう変化だったのか。
あたしは知らないまま、一緒に居て。
「今日、学校はどうしたの」
ヒデキにズバリ聞かれて、我に返る。
「サボったです」
ざっくり答えたら、それがヒデキにツボったらしく、「少しは隠そうよ」と大笑い(というか、苦笑い)された。
「その制服は双浜だね。僕のクラスだと、天野くんと井沢さんかな。波多野さんも居たな。他のクラスにも結構いる。1年生は文系クラスが多いね。今年の傾向なのかな」
別にこっちは、そんなの聞いていない。
そちら側の業界事情なんかにも興味は無かった。
「3年生の阿木さんていう先輩が居るよ。生徒会やってるから知ってるんじゃない?」
「生徒会とか、全然興味ないので」
「3年の沢村くんは?背高くて目立つし、恰好いい先輩でしょ」
「知りません」
ここでも悪く言うヤツはいないのか。今の時点で客であるあたしを前に、自分の生徒をカッコいいとまで抜かす。いい大人が、と呆れた。
背が高いと強調される事にも納得がいかない。
明らかに、ヒデキはあたしのサイズを当てこすった。
と、取られても仕方ないでしょ。講師の人気投票に影響しなきゃいいけど。
「カッコいいかどうかは別として、そんな勘違いをしてるとしたら、そういう天狗野郎が国立なんて行っちゃって、日本ヤバくないっすかね」
「彼が国立受ける事は知ってるの?」
ヤバい。
「多分……そうかな?と。ここの塾は立派だし、評判も良いっすよね。マックも近いし」
勢い、別次元の話題をブッ込んで、ヒデキの気を反らした。
「彼は9月からの生徒でね。遅咲きだけど頑張ってるよ。たぶん大丈夫。そういう先輩も居るから、君が今からでは遅いって事は無いよ」
そうか、それはよかった。
目つき悪くしてまで頑張ってるし。(ヒデキも反れたし。)
「ここって、お給料いいんですか」
ヒデキは、変な事聞くなぁという顔をモロにして、
「講師は、まあ標準だと思うけど。事務はパートさんだよ」
「先生って、結構辞めたりとかしますか」
「つらいか、って事?」
「いや、あのー異動とか」
「うちはね、出張が多いかな。あ、僕は来年ここを辞めて大学で働くから。異動と言えば異動だね」
「そうなると、新しい先生を入れ、ます、よね」
「うん。もう4月からの後任は決まってるよ」
恰好良い先生で。
数学担当で。
ブランクあるけど、熱意は間違いない。
……それが、アキちゃんだ。
そんなの。
別にここまで来る必要も無かった。
アキちゃんが、どういう場所で働くのか。単に見てみたかったというか。
オフィスに清潔感あり。お姉さんも綺麗。ヒデキは消える。アキちゃんが脅威に感じる同僚の存在。それは見られない。(写真だけで判断すると。)
これでケジメだ。
帰ろうとした所で、そうは行くかと、ヒデキに引き止められた。
これこそ本題、といわんばかりにテキストやら案内やらを机に並べ始める。
熱血営業スタート。
「さてと、君は将来、どこを受ける気でいるの?あと2年もあれば、どこでも余裕で狙えるね」
さっきから、ちょいちょい感じていたけれど、ヒデキはあたしを1年生だと誤解しているのだ。
というか、決めつけている。さっきの受付のお姉さんと同じで。
「今年、東大を受けますけど」
軽~るく掻き回すと、ヒデキのスカした顔が一瞬で崩れた。
「え?あれ?君って3年生?」と、まずはあたしを上から下まで疑うように眺める。「そうでげす」と言っても、まだまだ疑う目線だ。
「東大受けるって本当?」と、ますます疑いの色を濃くした。
失礼が過ぎるよ~。だけど、ここが引き時。
面倒くさくなる前に、「ウソでーす♪」と自分で晒した。
「修道院の夜間に行くんです」
「夜間……それって、家の事情?」
「いえ、あたしの事情です。すぐに仕事したいから」
「それでお給料とか聞いたの?今日は塾の見学?それとも仕事の見学?」
ちょっと考えた。
英語は外せない。無料の先生を失ってより、もう当てが無かった。
それでつい、魔が差して。
「あの……英語だけの授業、とかってあるんですか」
ヒデキの目が光った……ような。あれ?墓穴掘った?
「残念だけど、うちはそういう単発は無いな」
はいはい。でわでわ。
椅子から立ち上がろうとしたら、
「あ!待って。よかったら別の塾紹介するから。英語だけでも、あるよ」
ヤバい。ヒデキが暴走。あ!と背中に向かって呼び止めたものの、ヒデキはぴゅーっと出て行ってしまった。
そして戻ってきた。逃げる間もなく、パンフレットを強引に渡される。
「紹介状のかわりに持ってくといいよ」と名刺を添えられた。
ジッと見た。こうなっては逃げられない。トンズラ……どうかな。
「ちなみに、君のやりたい仕事は何?」
とかって訊かれても。
うーん。
あたしは悩んだ。
まだそんなにバイト経験も多くない。飲食系はスキルレベルが高いと思うけど、事務系とか技術系とか。あれやこれや。
まだまだ試したい事はたくさんあるし。
かなり時間がたったと思う。
それでも、ヒデキは急がなかった。こっちの答えを待っている。
何て言うか、答えはちゃんとあるんだけど。
軸って言うか、テーマっていうか。ポリシーっていうか。
どういったら伝わるかなーと、言葉を選んで選んで、言いあぐねて、迷いが飛ぶ飛ぶ。
こうしているうちに、ヒデキの印象はどんどん変わっていった。
そこは何となくだけど、アキちゃんと似たような性質が感じられる。激甘でヌケて見えるけど、逃げ・ごまかしが通じない。学校の先生とは違う位置から、あたしら世代を見ている。たまに試してくる。操ったりもするんだ。
ある意味、あたしにとっては、ヤベぇ奴である。
アキちゃんも、そんなあたしを上手く操って、転がしてくれた。
たくさん、たくさん、楽しかったな。
「たくさん経験して、たくさん心が動く。そういう仕事がやりたい」
言った後で後悔した。
何だか壮大すぎて、自分で言っててよく分からんちーん。
笑ってくれるかと思いきや、ヒデキは、
「で、何を経験したいの?具体的に、どういう感動を求めてる訳?」
前のめりで、興味深々でブッ込んできた。
思わず、あたしも前のめり。あたし自身もそこが知りたいんですが。
自分の事が自分でよく分からんちーん。
ヒデキは、あたしにどう言って欲しい?ぢゃないな。
また、かなり時間をかけて考えた。
あれでもない。これでもない。というか、あれでもこれでもある。
これが本音だ。
ひょい、と顔を上げた。ぴんぽーん♪
「何でも、やるんですよ。毎日たくさん。気絶するまで」
そうしてるうちに見つかる。
これに尽きる。
ヒデキが笑ったので、どうやら納得してくれたみたいだけど、本当に分かったのかな。あれで。
「君、名前は?」
げ。
そう来たか。だよね。でしょうね。
名前、名前、名前。
こうなったら誰でもいいから知り合いの名前をぶちこもう。
「か、桂木……ぢゃなくて」
生徒会はダメだ。すぐバレる。
聞いても何の連絡も取れなくて、都合良い人を検索中。
「よ、吉森っ」
「吉森?君、双浜高の先生と何かつながりあるの?ご家族?」
ゲロゲロゲロゲロ。先生ネットワークを舐めてた。
原田クンも却下。アキラはさらに却下。
頭の中の検索機能が、もう追いつかない。ふと、浮かんだ。
「……コレサワ。コレサワです!」
頼む、行ってくれ~。
「そう。はい。了解しました」
沢村が行ってる塾である。
だけど沢村から聞く前から、どこかで見覚えがあって。
その理由を、思い出した。
月曜日の朝イチ。
あたしはその塾を訪れた。この時間、現役の学生は居ない。ズバリそこを狙った。これで知り合いと出くわす事は無いな。
今朝は、朝から大雨。
あたしが傘を差すと、まるで子供が大人用を使ってるみたい、とよく言われる。松倉に至っては、「初めてのお使いぃ~」と頭を撫でるし、ヨリコは、「こらこら、黄色い合羽を着なさい」と真顔で突き刺す。
この塾の受付のお姉さんも、同じだった。
「あらあら」と、ガキをあやすみたいに笑ってくれた。
悔しいから、ばさばさと飛沫をそこら中に散らして、傘を畳みます。
「えーと、来年4月からの案内とかってありますぅ?」とオドけたら、「え?来年?」と、上から下までジロジロと見られた。さっそく怪しまれてる。
「えーっと、中学受験かな?」と、バッサリ返り討ち。
そこに、スーツ男子が現れた。
どうやら、ここの先生らしい。
「僕に時間があるから、こっちで」と言われて、あたしは受付から小部屋に通された。麦茶が出てくる。恭しく名刺までもらう。
〝古屋英樹〟
このヒデキは、アキちゃんと同じくらいの年格好に見えるけど、アキちゃんと違って、あんまり世間に揉まれていない印象がした。
自分の事を〝僕〟とか言ってる時点で、お坊ちゃまである。
まあ、アキちゃんは激動の人生過ぎるから、こういうのんびりな感じが普通なんだろうとは思うけど。
たまに〝俺〟とか、うっかり出ちゃうアキちゃんが、自分の事を〝僕〟というのはここ2~3年だった。まるで、それまでの自分をひた隠すように。
どういう変化だったのか。
あたしは知らないまま、一緒に居て。
「今日、学校はどうしたの」
ヒデキにズバリ聞かれて、我に返る。
「サボったです」
ざっくり答えたら、それがヒデキにツボったらしく、「少しは隠そうよ」と大笑い(というか、苦笑い)された。
「その制服は双浜だね。僕のクラスだと、天野くんと井沢さんかな。波多野さんも居たな。他のクラスにも結構いる。1年生は文系クラスが多いね。今年の傾向なのかな」
別にこっちは、そんなの聞いていない。
そちら側の業界事情なんかにも興味は無かった。
「3年生の阿木さんていう先輩が居るよ。生徒会やってるから知ってるんじゃない?」
「生徒会とか、全然興味ないので」
「3年の沢村くんは?背高くて目立つし、恰好いい先輩でしょ」
「知りません」
ここでも悪く言うヤツはいないのか。今の時点で客であるあたしを前に、自分の生徒をカッコいいとまで抜かす。いい大人が、と呆れた。
背が高いと強調される事にも納得がいかない。
明らかに、ヒデキはあたしのサイズを当てこすった。
と、取られても仕方ないでしょ。講師の人気投票に影響しなきゃいいけど。
「カッコいいかどうかは別として、そんな勘違いをしてるとしたら、そういう天狗野郎が国立なんて行っちゃって、日本ヤバくないっすかね」
「彼が国立受ける事は知ってるの?」
ヤバい。
「多分……そうかな?と。ここの塾は立派だし、評判も良いっすよね。マックも近いし」
勢い、別次元の話題をブッ込んで、ヒデキの気を反らした。
「彼は9月からの生徒でね。遅咲きだけど頑張ってるよ。たぶん大丈夫。そういう先輩も居るから、君が今からでは遅いって事は無いよ」
そうか、それはよかった。
目つき悪くしてまで頑張ってるし。(ヒデキも反れたし。)
「ここって、お給料いいんですか」
ヒデキは、変な事聞くなぁという顔をモロにして、
「講師は、まあ標準だと思うけど。事務はパートさんだよ」
「先生って、結構辞めたりとかしますか」
「つらいか、って事?」
「いや、あのー異動とか」
「うちはね、出張が多いかな。あ、僕は来年ここを辞めて大学で働くから。異動と言えば異動だね」
「そうなると、新しい先生を入れ、ます、よね」
「うん。もう4月からの後任は決まってるよ」
恰好良い先生で。
数学担当で。
ブランクあるけど、熱意は間違いない。
……それが、アキちゃんだ。
そんなの。
別にここまで来る必要も無かった。
アキちゃんが、どういう場所で働くのか。単に見てみたかったというか。
オフィスに清潔感あり。お姉さんも綺麗。ヒデキは消える。アキちゃんが脅威に感じる同僚の存在。それは見られない。(写真だけで判断すると。)
これでケジメだ。
帰ろうとした所で、そうは行くかと、ヒデキに引き止められた。
これこそ本題、といわんばかりにテキストやら案内やらを机に並べ始める。
熱血営業スタート。
「さてと、君は将来、どこを受ける気でいるの?あと2年もあれば、どこでも余裕で狙えるね」
さっきから、ちょいちょい感じていたけれど、ヒデキはあたしを1年生だと誤解しているのだ。
というか、決めつけている。さっきの受付のお姉さんと同じで。
「今年、東大を受けますけど」
軽~るく掻き回すと、ヒデキのスカした顔が一瞬で崩れた。
「え?あれ?君って3年生?」と、まずはあたしを上から下まで疑うように眺める。「そうでげす」と言っても、まだまだ疑う目線だ。
「東大受けるって本当?」と、ますます疑いの色を濃くした。
失礼が過ぎるよ~。だけど、ここが引き時。
面倒くさくなる前に、「ウソでーす♪」と自分で晒した。
「修道院の夜間に行くんです」
「夜間……それって、家の事情?」
「いえ、あたしの事情です。すぐに仕事したいから」
「それでお給料とか聞いたの?今日は塾の見学?それとも仕事の見学?」
ちょっと考えた。
英語は外せない。無料の先生を失ってより、もう当てが無かった。
それでつい、魔が差して。
「あの……英語だけの授業、とかってあるんですか」
ヒデキの目が光った……ような。あれ?墓穴掘った?
「残念だけど、うちはそういう単発は無いな」
はいはい。でわでわ。
椅子から立ち上がろうとしたら、
「あ!待って。よかったら別の塾紹介するから。英語だけでも、あるよ」
ヤバい。ヒデキが暴走。あ!と背中に向かって呼び止めたものの、ヒデキはぴゅーっと出て行ってしまった。
そして戻ってきた。逃げる間もなく、パンフレットを強引に渡される。
「紹介状のかわりに持ってくといいよ」と名刺を添えられた。
ジッと見た。こうなっては逃げられない。トンズラ……どうかな。
「ちなみに、君のやりたい仕事は何?」
とかって訊かれても。
うーん。
あたしは悩んだ。
まだそんなにバイト経験も多くない。飲食系はスキルレベルが高いと思うけど、事務系とか技術系とか。あれやこれや。
まだまだ試したい事はたくさんあるし。
かなり時間がたったと思う。
それでも、ヒデキは急がなかった。こっちの答えを待っている。
何て言うか、答えはちゃんとあるんだけど。
軸って言うか、テーマっていうか。ポリシーっていうか。
どういったら伝わるかなーと、言葉を選んで選んで、言いあぐねて、迷いが飛ぶ飛ぶ。
こうしているうちに、ヒデキの印象はどんどん変わっていった。
そこは何となくだけど、アキちゃんと似たような性質が感じられる。激甘でヌケて見えるけど、逃げ・ごまかしが通じない。学校の先生とは違う位置から、あたしら世代を見ている。たまに試してくる。操ったりもするんだ。
ある意味、あたしにとっては、ヤベぇ奴である。
アキちゃんも、そんなあたしを上手く操って、転がしてくれた。
たくさん、たくさん、楽しかったな。
「たくさん経験して、たくさん心が動く。そういう仕事がやりたい」
言った後で後悔した。
何だか壮大すぎて、自分で言っててよく分からんちーん。
笑ってくれるかと思いきや、ヒデキは、
「で、何を経験したいの?具体的に、どういう感動を求めてる訳?」
前のめりで、興味深々でブッ込んできた。
思わず、あたしも前のめり。あたし自身もそこが知りたいんですが。
自分の事が自分でよく分からんちーん。
ヒデキは、あたしにどう言って欲しい?ぢゃないな。
また、かなり時間をかけて考えた。
あれでもない。これでもない。というか、あれでもこれでもある。
これが本音だ。
ひょい、と顔を上げた。ぴんぽーん♪
「何でも、やるんですよ。毎日たくさん。気絶するまで」
そうしてるうちに見つかる。
これに尽きる。
ヒデキが笑ったので、どうやら納得してくれたみたいだけど、本当に分かったのかな。あれで。
「君、名前は?」
げ。
そう来たか。だよね。でしょうね。
名前、名前、名前。
こうなったら誰でもいいから知り合いの名前をぶちこもう。
「か、桂木……ぢゃなくて」
生徒会はダメだ。すぐバレる。
聞いても何の連絡も取れなくて、都合良い人を検索中。
「よ、吉森っ」
「吉森?君、双浜高の先生と何かつながりあるの?ご家族?」
ゲロゲロゲロゲロ。先生ネットワークを舐めてた。
原田クンも却下。アキラはさらに却下。
頭の中の検索機能が、もう追いつかない。ふと、浮かんだ。
「……コレサワ。コレサワです!」
頼む、行ってくれ~。
「そう。はい。了解しました」