エリート部長の甘すぎる独占欲~偽装恋愛のはずでしたが!?~
しかし、時間が経つにつれ巴への思いは募り、いつまでも疑似恋人という立場で満足できなくなってきた。
いい加減、こちらからアクションを起こして青柳社長親子にも思い知らせてやらなくては……。
そう思って、パートナー同伴のパーティーに、娘を連れて行けと言う社長の指示を無視して巴を連れて行った。
ドレス姿の巴は美しく、僕が見惚れたのは言うまでもない。
そんな彼女と、ふたりきりのバルコニーでほんのひとときダンスを踊った時間は幸せで、このまま時間が止まればいいのにと願うほどだった。
しかし、楽しい時間は続かない。僕が娘以外の女性とパーティーに参加していることを聞きつけた社長が現れ、またしても娘の話を持ち出した。
いい加減うんざりした僕は、その帰りに直接百合と話をすることにし、一度巴を連れて行ったあのバーに呼び出した。
開口一番、僕は「もう関わらないでくれ」と百合に懇願したが、彼女はおかしそうにふふっと笑った。