エリート部長の甘すぎる独占欲~偽装恋愛のはずでしたが!?~
「僕と巴みたいですね」
「私と、部長……?」
確かに、バーでもこのベッドの上でも、キスはたくさんした。でも、ダーク……?
ぐるりと部屋を見渡してみると、確かに暗い。明かりはベッドのそばの間接照明しかなく、私たちのふたりの姿だけがぼんやり闇に浮かんでいるよう。
「部屋が暗いから、ですか?」
「そのまんまですね」
部長が吹き出し、私は馬鹿にされたようでむくれる。
「じゃあ本当の意味を教えてくださいよ」
「それは……秘密です」
出たよ秘密主義。私の一番知りたいことに限って、ごまかすんだから。
ああつまんない。今日はなんだか疲れたし、もう寝よ寝よ。
「おやすみなさい、部長」
「うん。おやすみ」
猫を撫でるように、優しい手つきで髪を撫でられているうちに、私は眠りに落ちていた。
そうして気持ちよく睡眠を貪った翌朝――そう、一ページ目の状況に戻るのである。