エリート部長の甘すぎる独占欲~偽装恋愛のはずでしたが!?~


今日の服装も仕事の後だしパンツスーツだけど、まぁ会社の飲み会で気合入れてもしょうがないしね。

なんて自分を納得させていたとき、露子が上座にいる新人くんを品さだめして、ひと言。

「けっこうかわいいよね、今年の子。成田くんだっけ」

「え、じゃあ露子お酌してきなよ。仲良くなるチャンスだよ」

自分にはあまり縁がなくとも、やっぱり女子だもの、他人の恋愛話は大好きだ。

私は露子を肘でつつきながら、新人くんの様子を観察した。

先輩方に次々お酌され、恐縮しながらにこにことグラスを傾けている彼は、たしかに色白で可愛い顔立ち。確か名前は、成田唯人(なりたゆいと)くんと言ったっけ。

大きめの黒縁メガネをかけているのがまたお洒落で、原宿でも歩いていそうな感じだ。

今週で新入社員の合同研修が終わり、来週からは彼も私や露子と同じ班で仕事をすることになっている。


< 3 / 188 >

この作品をシェア

pagetop