エリート部長の甘すぎる独占欲~偽装恋愛のはずでしたが!?~
「無理無理、年下はないわ」
「そうかな。露子なら、むしろ彼のこと教育していい男にできそうだけど」
「じゃあ巴が教育してあげれば?」
「え。あはは、私はいいよ……社内恋愛はだいっきらいだし」
苦笑いしながら話した私に、露子が気の毒そうな視線を向けた。
「まだ引きずってんだ、元カレのこと」
「べ、別にそういうわけじゃ……」
曖昧に否定しつつ、心ではわかっていた。
私が社内恋愛を毛嫌いする理由は、去年まで付き合っていた彼氏に振られたことが関係しているのだと。
というと何だか意味深だけど、特に複雑な事情があるわけではなく、事実はいたってシンプル。
別の会社に勤めている彼が、彼と同じ会社に勤める女性社員と酔った勢いで浮気して、彼女の方に本気になってしまったってだけ。