エリート部長の甘すぎる独占欲~偽装恋愛のはずでしたが!?~
「部長……?」
見つけたって、何? もしかして、私を探してた……ってこと?
私が目を瞬かせている間に、傍らに立った彼がやさしく笑う。
「今夜のこと、直接謝りたかったのに、どこにも姿が見えなかったので」
「あ……。いえ別に、そんな気にしないでください。埋め合わせとかも別にいいですし」
こちらはむしろ、心乱されずに済んでありがたいくらいですから。
「でも、そのスカート。今夜のためにお洒落してくれたのかなって思ったんですけど、違いますか? 巴のスカート姿、珍しいので」
「えっ、いや、その……」
否定するより先に、頬に熱がのぼるのを感じた。
ばか、巴、なにを照れてるの! 赤くなったら、図星だって言ってるようなものじゃない!
そりゃ、部長の隣に並んでも恥ずかしくないようにって、そういう意味での気合は入れてきたけどさ……。
顔を隠すようにうつむくしかできない私の耳に、部長がふっと笑うのが聞こえた。
「せっかくお洒落してきてくれた巴をもっとよく見たいので、一緒にランチ、いいですか?」
彼もコンビニで食事を買ってきたらしく、手に持った袋を掲げてみせる。