エリート部長の甘すぎる独占欲~偽装恋愛のはずでしたが!?~
露子の説明に、なるほどなと納得する。
私が学生の頃はあまり普及していなかったけど、今はスーパー、コンビニ、どこにでも出回っている。しかも元気が出るなんて謳われていれば、危険性なんて考えずに簡単に手に取っちゃうかも。
「身近なテーマだから、小学生の食いつきもいいかもね。でもやっぱり緊張するな……」
「ま、授業って言っても、実際先生役をするのは主任で、私たちは資料とか教材を作るのと、授業中も補助的に子どもたちをサポートすればいいだけみたいよ」
「そっか。それならそこまでプレッシャーもないね」
裏方仕事に徹すればいいとわかって、ホッと胸をなでおろした。
「それにしても、最近また一段と仲良くなったみたいじゃない? 巴と部長」
「えっ。……そ、そう?」
露子が急に話題を変え、しかもあまり突っ込まれたくない部分の話なので、つい取り乱して視線が泳ぐ。
「けっこう目で会話してるし、あと付箋でも会話してるよね?」
うう……やっぱり、露子の目はごまかせないな。
始まりこそ受け身だった“社内恋愛シミュレーション”だけど、今では一誠さんのささいな行動や表情の変化を見逃すまいと、確かに彼のことを見つめる時間が増えているから。
……それにしても。