エリート部長の甘すぎる独占欲~偽装恋愛のはずでしたが!?~
「でも電話口で、彼女に冷たくしてたんでしょ? なら彼の言う通り、もう関係ないんじゃないの?」
「うーん……そんな単純な話じゃないような気がするんだよね」
元サヤにおさまる風ではなかったけれど、簡単に切れる関係でもなさそうな……。
「そうねえ。社長がどうとかっていうのも気になるしね」
ふたりして悩み始め、しばらく沈黙しているうちに、お昼休みは終わりに近づいていた。
「あ、もうこんな時間。行かないと」
腕時計を見て先に立ち上がった露子に、そういえばと思い、私も椅子を引きながら問いかける。
「露子の方は? 最近どう? うまくいってる?」
彼女は前に“不毛な恋愛”をしている言っていた。なんとなく相手のことは聞けずじまいだけれど、露子が傷ついたりしてないかってことだけは、常に心配だった。
「私は……まぁ、今んとこ膠着(こうちゃく)状態だね」
「そっか……」
ということは、彼とはセフレのまま……。
「巴が暗い顔することないでしょ。とりあえずまだ必要とされてるから大丈夫だよ」