エリート部長の甘すぎる独占欲~偽装恋愛のはずでしたが!?~


「でも電話口で、彼女に冷たくしてたんでしょ? なら彼の言う通り、もう関係ないんじゃないの?」

「うーん……そんな単純な話じゃないような気がするんだよね」

元サヤにおさまる風ではなかったけれど、簡単に切れる関係でもなさそうな……。

「そうねえ。社長がどうとかっていうのも気になるしね」

ふたりして悩み始め、しばらく沈黙しているうちに、お昼休みは終わりに近づいていた。

「あ、もうこんな時間。行かないと」

腕時計を見て先に立ち上がった露子に、そういえばと思い、私も椅子を引きながら問いかける。

「露子の方は? 最近どう? うまくいってる?」

彼女は前に“不毛な恋愛”をしている言っていた。なんとなく相手のことは聞けずじまいだけれど、露子が傷ついたりしてないかってことだけは、常に心配だった。

「私は……まぁ、今んとこ膠着(こうちゃく)状態だね」

「そっか……」

ということは、彼とはセフレのまま……。

「巴が暗い顔することないでしょ。とりあえずまだ必要とされてるから大丈夫だよ」


< 78 / 188 >

この作品をシェア

pagetop