エリート部長の甘すぎる独占欲~偽装恋愛のはずでしたが!?~
「いえそのあの、飲み会に限らず、職場内で恋愛とかって、大人としてどうなのかなぁって常日頃から思っているので……」
自分の個人的な思い出話をするわけにもいかず、愛想笑いを浮かべつつ、平凡な回答でごまかした。
「なるほど。じゃあ、きみは社内恋愛は一度も?」
サラッと流してほしかった話題なのに、予想外に部長の質問は続き、私はきょとんと目を丸くする。
な、なぜ部長が私のプライベートに踏み込んでくるんだろ……。
「……ええ、まあ」
質問の意図はわからないけど、とりあえず頷いておく。
「それでは、きみにとやかく言う権利はありませんね。大人としてどうなのかとか、そんな理性的な判断が下せなくなる恋愛を、きみはまだしたことがないだけです」
……ん? な、なんで怒られてるの? 私。
彼の口調は柔らかかったけれど、なんとなく有無を言わせぬオーラを感じた。