エリート部長の甘すぎる独占欲~偽装恋愛のはずでしたが!?~
成田くんが、私を……?
そりゃ、同じ班で仕事をする仲間だから、お互いある程度の信頼は寄せているけど、私はそれ以上の感情はないし、彼の方だって同じでしょ?
「一誠さんの思い過ごしじゃないですか?」
「いえ。わかるんですよ。同じ雄同士……彼だって、僕のことを常に威嚇しています。それに、この間……終業後に巴を追いかけて、恋愛相談を持ち掛けようとしていたじゃないですか」
「……そういえば」
その日は一誠さんと約束していたから付き合ってあげられなくて、恋愛相談なら露子の方がいいよ~なんてお勧めしたことはあったけど。
「でもあれ以来、特に成田くんから相談を持ち掛けられることはないから、その悩みは解決したってことじゃないんですかね」
他人事のようにのんびり言う私に、一誠さんは呆れた顔をしてため息を吐き出す。
そして、お湯の中で身体を抱え上げられたと思ったら、くるりと反転させられて、彼と向き合う体勢になって。
「……きみがそう呑気にしているから、僕は心配なんですよ」