エリート部長の甘すぎる独占欲~偽装恋愛のはずでしたが!?~

会場となったのは、有名な一流ホテルの五階にある、パーティールームだった。

二百坪ほどの広い空間に、様々な料理の乗った巨大テーブルがひとつと、小さな丸テーブルが点在している。

天井にはシャンデリアがきらめき、ステージの脇にはグランドピアノがひとつ。白とブラウンで統一されたインテリアはどれをとっても優雅で上品。すでに談笑しているゲストたちも、こういう場には慣れているセレブっぽい人たちばかりだ。

いくら見た目を取り繕ったって、私やっぱり場違いなんじゃ……。

一誠さんの指示で彼の腕にぎゅっとつかまりながら、不安で辺りをキョロキョロしてしまう。

そのうち、給仕係の男性が乾杯用のシャンパンを持ってきてくれ、ふたりでひとつずつグラスを持った。

部屋の奥にあるステージにマイクが準備され、そろそろ乾杯の挨拶がはじまるようだとゲストたちがステージ側に集まっていく、

「一誠さん。今日はそもそもどういったパーティーなんですか?」

「主催者は、うちの社長と懇意にしているイベント会社の社長で、このたび孫が誕生した喜びを多くの人と分かち合いたいそうです」

「……孫、ですか」

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