私、いじめたアイツをオトしてみせます。〜イジワル男子攻略法〜


なんて考えているうちに順番が回り、私は席を立った。


隣の男はあまり興味もなさそうに携帯をいじってる。

く、悔しい。


「は、初めまして!私、朝陽中出身で……」


立ち上がって出身中学を言っても、ヤツは微塵も耳を傾けない。

こうなったら……。


「神木小学校卒業後に引っ越して、またこちらに戻ってきました!元6年1組の新垣美玲衣です!」


少しだけ声量を上げて、クラス全員に聞こえるように意識しそう言った。

その瞬間。


隣のアイツが触っていた携帯から私へ目線を投げた。

一瞬だけ視線が合わさり、だけどすぐに私はそれを遮断した。


「もしかしたら同じ小学校出身の人ならいるかもしれません。よければ仲良くしてください。ちなみに中学の頃まで部活をしてなかったので、高校もまだ検討中ですが、何か良いのがあれば始めてみたいなと思ってます」


言えた。

こんなにすらすらと、私、噛まずに人前で話せるようになったんだ。


私の最大のコンプレックスだった人見知りを直すために、この3年間、色々なことを努力してきた。

人と話す練習もたくさんして、人前で物怖じせず発表できるように、自分からなんでも積極的に参加するよう心がけた。


その成果が今こうしてちゃんと現れてる。

もう私、あの頃みたいに弱くない。
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