私、いじめたアイツをオトしてみせます。〜イジワル男子攻略法〜


えっと……。


さすがに初対面の先輩2人を前に、自らガンガン問いただすような度胸はまだ備わってなくて、私と沙梨奈は何も言わずに目の前の2人のやりとりを見つめていた。


「あ、ごめんね。もう、ほら、大和がいきなりナンパなんてするからびっくりして怖がっちゃってるじゃん」

「あのなぁ……。俺は2人が新しいバイト先に困ってたみたいだから先輩らしく優しーーく手助けをさぁ」

「うわぁ、嘘ばっかり。下心ありありなくせに」


最初に話しかけてきた、175センチ以上はありそうな、スタイリッシュでモテそうで(おまけに少しチャラそうな)明るい先輩と、後から現れた172、3センチくらいの、これまた整った顔立ちをした可愛くもありかっこよくもある、親しみやすい印象の先輩。


とても気心を知れている2人のようで、軽口を叩いている傍ら、その仲の良さがよく伝わってくる。


「まぁでも。バイト先探してるんだ?ちょうどよかった。2人がよかったら、俺の働いてるところ見に来ない?」

「おいおい、俺が先に声かけたのに美味しいところだけ持っていくのかよ、お前は〜」


えっ……?


私と沙梨奈は顔を見合わせて、なにを言うでもなく戸惑ってしまう。

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