私、いじめたアイツをオトしてみせます。〜イジワル男子攻略法〜
キーンコーンカーンコーン
「おっと、予鈴か。それじゃ、見学来たくなったら、2Aの俺か、2Dの大和のところにおいで」
大和先輩の言葉の真意を問い返す間もなく、校内に朝の予鈴が鳴り響いた。
近見先輩は「またね」そう笑ってひらひらと手のひらを振り、私たちに背を向けた。
「ま、ウチで働く気がなくても気軽に遊びに来な。恋の相談ものってあげるし、オトナのアレコレも、お望みとあらば手取り足取り教えてあげるよ?」
最後に大和先輩は私と沙梨奈の耳元で囁くようにそう言うと、両手でそれぞれの頭をぽんぽんと優しく撫で、セクシーにウインクを決めて近見先輩とともに去って行った。
「って、美玲衣!!サリたちも教室行かなきゃ遅れちゃう!!」
「わっ、急ごっ!!」
私と沙梨奈は慌てて1年C組の教室へ向けて駆け出した。