順番




ただ、俺は必ず俺のものにしたい
疼いて仕方ない
こんなにも欲情したことは今だかつてなかった


二人きりの部屋は俺の欲情を更に刺激した


抱きたい
触れたい
突きたい



俺は手を伸ばして捕まえようとした時
小さな唇が動いた




「彼氏はいませんが、旦那様がいます」

「え?」


旦那?
俺の手は宙をさ迷った
旦那とは?



「私、結婚してるんです」



想像もしていなかった

さすがに、人妻は不味いか
さ迷った手を引っ込めようとしたとき温もりを感じた




「それでも良いですか?」




引っ込めようとした俺の手を掴んだ西野昴は妖艶に微笑んだ
俺はかぶり付くように唇を奪った




驚くでもなく、彼女は舌を絡めて応える


上手い


女とキスをして上手いと思ったのは初めてだった
徐々に侵食されていくようで頭の中で真っ赤な警報が鳴った



この女は危険だ


それでも、手は彼女の肌を這っていく


吸い付くような肌は気持ちよくて
ブラウスのボタンを一つずつ外していく
彼女のキスに翻弄されながらブラウスを脱がして彼女の身体を見た時一瞬、身体が固まった


真っ白な身体に広がる無数の真っ赤な華


彼女は綺麗に笑って
「どうしますか?」と耳元で囁いた


彼女の身体に残る無数の赤い痕
それは彼女の旦那の独占欲に他ならなかった




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