手をつないだからキスをしよう!
「はい。」

極力事務的に出る。

どうせ、唯ちゃん関連か明日からのお仕事の話し。

「お疲れさまです。」

電話を始めた私の頭をひと撫でして、席を外す洋ちゃん。

睨んでシャツの後ろを引っ張った。

ニッコリ笑うとソファーに座り直してくれたから

隣に座って電話する。

「えっ!咲に??あぁ~…………………。」

先生の電話は、最悪だった。

さっき二人を見かけたスーパーに、咲も居たらしくて………

バッタリ出逢い、ツーショットにショックを受けたらしい。

この間の職員旅行の宴会の時、咲が唯ちゃんに

『私、先生が好きなんです。』と伝えてるだけに……揉めそうだよ。

先生達二人は、それによって絆が深まったんだけど……

気の強い咲が、ショックだけで終わるとは思えない。

明日から仕事。

子供たちが登園するのは、まだ1週間先。

これから1週間は、年少組の二人は……二人で準備していかないといけない。

運動会や遠足、お遊戯会もある二学期だから………大変かな??

「はい、分かりました。しっかりフォローしますね。
…………そうですね。
先生が唯ちゃんを庇うと………火に油を注いじゃうかなって……。
分かりました。」

電話を終えて、隣を見ると

何とも複雑な顔をしている洋ちゃん。

洋ちゃんは、先生と飲み仲間。

よく二人で飲んで二日酔いになってるの。

私に遠慮して、唯ちゃんには構わないけど……先生の彼女だから気にしてる。

そんな二人の事件だもんね。心配だよ。
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