手をつないだからキスをしよう!
「ばか唯。
唯ちゃんのせいで………する気のなかった告白をしたんだよ。」

「えっ!!」と固まる唯ちゃん。

「好きになった男より、唯ちゃんを優先したみたいだよ。」

「唯ちゃんの泣き顔は、見たくないからね。」

「男前な告白だったよ!
だって『好きでした。』だからね!
普通は『好きです』なのに、過去だよ。」って……口々に話す三人。

「唯ちゃんよりも大切じゃあなかったみたい。」

「彩ちゃ~ん。ふぇ~ん。」

やっぱり、予想通り大泣き。

「ハイハイ、旦那を呼ぼうね。」と海晴が先生に電話して

直ぐ駆けつけた。

「やっぱり泣いてる。」

さっき私を映した優しい目差しは……

今はもう……………唯ちゃんだけに向けられている。

でも………それを自然に受け入れ、羨ましいと思わなくなった。

…………………うん!大丈夫。

「先生、ごめんなさい。」

謝る私に…………先生の手を振りほどいた唯ちゃんが

「彩ちゃん………ありがとう。」と……ギュッと抱きついた。

この可愛いいきもの…………。

このためだったら………不本意な告白だって出来る。

先生への恋は……憧れだったんだなぁって……

二人の恋愛を見ていたら思う。

友情を優先した時点で…………そういうことだよね。
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