手をつないだからキスをしよう!
「キレイ!!
洋ちゃん、スゴいよ!!」

梅がキレイだとは聞いていたけど………

所詮、桜には敵わないって侮ってた。

……………………………びっくり!!

色とりどりの可憐な花。

蕾のまるっこいところなんて………子供達みたい。

笑顔の花が、ポッポッと咲いて…………感動的!

おおはしゃぎで、梅林を駆け抜ける。

「洋~ちゃ~ん!!」

「こらっ、あんまり調子にのると転けるぞ!」

いつもは、子供か妹弟、四人に………私が言うセリフ。

洋ちゃんといると、子供で妹でいられる。

あれっ??

そう言えば………………………悲しくない。

昨日駄々をこねてから、お泊まりに来て…………

今の今まで…………忘れてた。

クスッ、あはっ……………アハハ。

突然笑いだす彩を………

異様な物を見る目の洋ちゃん。

「何??」

洋ちゃんの反応に、益々笑いが止まらない。

涙を浮かべて笑う彩に

「アホだね~」って………洋ちゃんも笑いだす。

キレイな梅を前に、ばか笑いする二人。

平和だね!

………………向けて言うのは、恥ずかしいから。

「……………ありがとう。」と、笑いに交ぜてそっと呟いた。
< 5 / 37 >

この作品をシェア

pagetop