ちゃんと、食事しる! ☆ Kingの生きる道☆

その間もずっと、父のお腹はギュルギュルと鳴っていた。


看護師さんに聞かれた程に鳴っていた。


「家にいた頃から、ずっとこうなんです。」


そのまま告げた。


採血セットを持って、さっきの看護師さんがやって来る。


5本分の採血は、最初の2本は、なかなか血が出てこない。



親指を中にして握り締めている父の手が、黄色と青に変わって行く。


[入ってないんじゃないかなぁ?]


自分自身も採血では看護師さん泣かせなので、有り得ない父の手の色が気になった。


『具合、悪いんじゃないよね?』


「悪くない」


『んじゃ、血管、頑張れ〜』


ゴムで抑えた部分より上を少し揉む様にして、絞り出す作戦も、あまり上手くは行かなかった。


けど、ふとした拍子に手の色が、みるみる赤に染まる。看護師さんが、驚いて



『やだぁ、取れる取れる。何かしました?』と喜んでいた。



採血、無事終了。


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