Sentimentalisme
第1章 屋上
握られた跡が薄く銀に光るドアノブ。ゆっくりと同じ場所を握り体重をかけ、ところどころクリーム色が剥げ茶色が見えている重たいドアを静かに開ける。
吹き抜ける風と共に視界に入ったのは風に長い髪をなびかせているクラスメイトの琴佳。
そして、何故か顔が赤い同じくクラスメイトの祥太。
距離がゼロになるふたり。
信じたくなかった、ふたりが付き合っていること。しかし信じるしかなくなってしまった。
終わった、わたしの恋が終わった。
そう思った時だった。
彼女はポケットから封筒のようなものを取り出し、丁寧に脱いだブレザーを重しにして澄んだ冬の冷たい風に空気に身を投げた。
ドスン、という緊張が走る音、耳を劈く悲鳴。
彼女の一生が終わった。
吹き抜ける風と共に視界に入ったのは風に長い髪をなびかせているクラスメイトの琴佳。
そして、何故か顔が赤い同じくクラスメイトの祥太。
距離がゼロになるふたり。
信じたくなかった、ふたりが付き合っていること。しかし信じるしかなくなってしまった。
終わった、わたしの恋が終わった。
そう思った時だった。
彼女はポケットから封筒のようなものを取り出し、丁寧に脱いだブレザーを重しにして澄んだ冬の冷たい風に空気に身を投げた。
ドスン、という緊張が走る音、耳を劈く悲鳴。
彼女の一生が終わった。